夏の名残りの薔薇 (文春文庫 お 42-2)
クミッチェが「ライオンハートぐらい読みにくかった」と書いていたのでなかなか読む気になれず買って10日ぐらい寝かせていたのだけれど、読んでみたら割りとすんなり入り込めました(でも私は人気のある「光の帝国」が苦手) ちょいちょい入る引用の文章は私も流し読み 最終的に話とリンクしてるのはわかるんだけど、引用文が小説じゃなくて映画のプロットみたいな文章で場面が細切れで続いてないから読みづらかったです 映画を知ってる人なら楽しめたんだろうね
以下ネタバレ
おもしろかったけど最後の瑞穂が双子っていう設定とディーラーの人があんだけ不倫しときながら女の人は愛せないって設定は無理があるよなーって思いました 納得いかないまま終わっちゃったというか そんであとがきで「本格ミステリは説得できなくても理由付けができればいいんだ」みたいなことをいわれて「ハイ、終わり終わり!」みたいな強引さを感じたり感じなかったり感じたり あ、あと解説のクイズも正直何だそれって思った・・・ハハハ
引用文については、ホント映画を知ってれば楽しかったのかな、と でもだったら第2変奏入った直後に、あ・多分これ誰も死んでないな、と結末が見えてただろうね  映画を知らなくても第3変奏あたりで「これ死んでないっぽくない?」って気がついたもの だから、この話は、本人も言ってる通り映画ありきの話で恩田さんがこの映画に対する思いを詰め込んだ話なんだなーということで私の中で完結です
あ、そうだ もう一個気になったのは最後にみんなが自分の想像の中であの人を殺したって告白するシーンで、一人の人が喋ってるはずなのに3行ぐらいごとに「 」で区切られていたところです あれは3人の姉妹が嘘の話をリレーしていたのとダブらせているのかなって思ったのだけど、これどうでしょう?合ってる?